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東京歯科大学市川総合病院

東京歯科大学市川総合病院 稼働システム
・歯科電子カルテシステム HAPPY ACCEL-ERD

診療科目:
20科(内科、精神科、消化器内科、循環器内科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科、歯科口腔外科)

病床数:
570床(歯科診療台数:22台)

所在地:
千葉県市川市菅野5-11-13
TEL:047-322-0151
http://www.tdc.ac.jp/hospital/igh/
医科と歯科がシームレスに融合した電子カルテシステムを構築

千葉県市川市のほぼ中央に位置する東京歯科大学市川総合病院は、昭和21年の開設以来、「愛と科学で済生を」を理念に総合病院として地域医療の中核を担っています。同院で、2010年1月から運用を開始している歯科電子カルテシステム「HAPPY ACCEL-ERD」に関して、山根源之氏(歯科・口腔外科部長)、宇治川清登氏(歯科・口腔外科 歯科医)、藤田洋之氏(医療情報システム管理課長)の各氏に、導入の経緯と現在の運用状況、今後の展開について伺いました。

時期早尚という判断で歯科電子カルテの導入を中止

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山根源之氏
歯科・口腔外科部長

 東京歯科大学市川総合病院は、日本で唯一の歯科大学立の総合病院として診療科目20科、病床数570床、歯科診療台数22台の規模である。同院は、病院情報の電子化に積極的であり、1982年には医事会計システムを導入し、1989年には自動再来受付機を稼働、2002年3月からはオーダシステムを導入して医事会計システムとの連携を実現している。
 さらに2004年3月からは、他社製医科電子カルテと電子看護記録システムを導入した。当然のことながら同時に、歯科診療録の電子化も検討されることになった。歯科の保険算定は複雑なため、紙ベースのレセプトでは診療報酬の請求漏れが発生していたためである。
 また、医科と歯科・口腔外科が連携して治療しなければならない疾病が増えているため、医科と歯科の情報共有は欠かせなくなっていた。歯科・口腔外科部長の山根源之氏はつぎのように話す。
「医科と歯科・口腔外科がシームレスに融合する必要がある」
 近年は歯科の疾病が増えているだけでなく口腔外科の患者が増えている。同院では、口腔がん手術を年間50〜60例実施しており、他科との連携は重要である。また、糖尿病・誤嚥性肺炎・C型肝炎・扁平苔癬などの全身疾患のある患者様に対する歯科・口腔外科の治療が増えている。
「他の総合病院では、医科電子カルテを歯科に無理して使用しているところもあります。医科に比べて、歯牙は上下左右28本もあるので医科電子カルテでは診療情報の記録に限界がある」(山根氏)
 そこで、レセコン・ベンダ製の歯科電子カルテの導入が検討されたが、保険算定できる項目しか記入できないことが最大の問題だった。完全な診療録とするためには、保険算定できない治療や使用した材料・薬剤のデータを残す必要があるからだ。レセコンベースの歯科電子カルテは、「電子カルテ3原則」である「真正性・見読性・保存性の確保」のうち、「真正性」が担保できないものであった。そこで、この時点では時期尚早という判断で、歯科電子カルテの導入は中止することとなった。
 そのため、同院の電子カルテ化は、医科は電子カルテ、歯科は紙ベースという2本立てでスタートした。

東京歯科大学市川総合病院のシステム整備計画
東京歯科大学市川総合病院のシステム導入スケジュール


医科電子カルテの更新に伴い歯科電子カルテを導入

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藤田洋之氏
医療情報システム管理課長

 しかし、2011年4月1日からは歯科のレセプトオンライン化が実施されることもあり、その対応が求められることになった。そこで、同院では医科電子カルテ更新のタイミングに歯科電子カルテを導入することが2009年春から検討された。  医科電子カルテのベンダ選定にあたっては、「歯科電子カルテのベンダを推奨すること」を条件とした。応札したベンダ8社に対して2カ月間をかけてプレゼンテーションとヒアリングを実施した。歯科電子カルテに関しては、1.レセコンベースのドキュメントシステムではないこと、2.保険請求以外の情報も記載できること、3.矯正や小児などサブシステムとの連携が図れること、そして4.医科電子カルテとの親和性が高いこと、といった点が重視されることになった。
 TSMEDの歯科電子カルテ「HAPPY ACCEL-ERD」は病院歯科向けのシステムであり、医事会計システムはもちろんのこと、各部門システムやサブシステムとの連携もスムーズであり、医科電子カルテとの親和性は高い。
 ところが、同院における初期の検討段階では「旧態依然の画面デザインに対して、使いにくそう」ということで、機能の説明までは至らないような状況だった。
 そこに「デザインの専門家の手で、ユニバーサルデザインの画面に修正すべき」という藤田洋之氏(医療情報システム管理課長)からのアドバイスがあった。
「ユニバーサルデザインは、当然のことながら健常者にも優しいデザインです。そうなれば、歯科電子カルテが患者様への情報提供やインフォームド・コンセントの有効なツールになるはずです」(藤田氏)
 藤田氏からのアドバイスを受け、グループ企業である東芝デザインセンターの手で、「HAPPY ACCEL-ERD」の画面インターフェースはユニバーサルデザインに変わった。「見ずらく、使い勝手が良くない」という指摘を踏まえて、画面の色彩をはじめ、ボタンの大きさや形、位置などが修正された。「短期間で素晴らしいデザインに生まれ変わったので驚きました」(藤田氏)
 その結果、同院のコア委員会(選定委員会)による検討を経て、医科電子カルテは既存ベンダのシステム更新が決定し、歯科電子カルテに関しては、レセプトベースではない本格的な歯科電子カルテの構築について、熱意と高い技術力を評価し「新HAPPY ACCEL-ERD」を共同開発することに決定したのである。

 
システム構成図
診察室 CT検査室
電子カルテ端末は、22台の各歯科診療台の横に設置されている。 同院では、年間50例を超える口腔がん手術のほか口腔ケアも積極的に行っている。

医科と歯科の シームレスな融合を実現

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宇治川清登氏
歯科・口腔外科 歯科医

 システム構築にあたって、医科電子カルテとの「親和性」を実現するため、医科電子カルテのベンダとTSMEDは機密保持契約を締結し、医科・歯科相互のデータを直接参照できる仕組みを構築することにした。
 歯科医師・衛生士・技工士がシステムを使う場合、歯科システムか医科システムかを意識することなく、カルテ記載や処置オーダ、処方・画像オーダ・検査結果参照ができるようになっている。
 歯科電子カルテを操作する際には、まず医科電子カルテにログインする。外来患者一覧から該当する歯科の患者を選択してクリックすると、「HAPPY ACCEL-ERD」が起動して歯科電子カルテの画面に切り替わる。処方・注射・画像・検査の各オーダや医療画像システムを起動できるほか、検査結果や医療画像の参照も可能で、歯科電子カルテの一部のように各部門システムが起動・操作できるようになっている。オーダ等はインターフェイスを介さず、医科電子カルテのデータベースを直接参照・記録するようになっている。
 こうして、医科電子カルテと歯科電子カルテがシームレスに融合する病院情報システムが完成して2010年1月に稼働した。山根氏は、「総合病院における歯科電子カルテとして、モデルケースになるものが実現できたと思っています」と今回の導入を高く評価している。  同院では、歯科電子カルテの導入に際して、紙ベースから一挙に電子化することへの抵抗は全くなかったという。むしろ「今度は歯科も電子カルテを導入して欲しい」という要望が多かった。導入後の診療現場での評価について宇治川清登氏(歯科・口腔外科 歯科医師)に伺った。 「紙ベースでの診療録の電子化はすべて実現できています。それに、稼働当初から混乱することはありませんでした。あまりにトラブルが少なかったので他科の先生から『歯科にも電子カルテを入れたんだっけ』という声も出たほどです」
 歯科電子カルテは、今後、どのように展開されるのだろうか。
「10月中に文書システムが稼働し、2010年度末には眼科の画像統合システムと歯科が連携することになっています。こうした部門システムやサブシステムとの連携・拡張を進めながら、将来的には歯科の画像データベースシステムを開発することを目指しています」(藤田氏)
 東京歯科大市川総合病院の歯科電子カルテシステムは、各部門システムとの連携や拡張をさらに強めて、ますます進化していくのである。

 
『TSMED NOW』Vol.14(2010年10月31日発行)より
本記事中に記載されている固有名詞や肩書き、数値等は掲載日現在のものであり、変更されている可能性があります。


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